こんにちは!
山で風景画をかいてます。アマネです。
油絵具って乾くの遅くない?と思った方いますよね。
私も未乾燥で絵具がグチョっとなったことがります。
実際にはどのぐらいで乾くのでしょうか?
そこで今回は「油絵具の乾燥時間について」お話ししていこうと思います。
「油絵具の乾燥時間は?」
「どのようにして乾くのか」
「早く乾燥させたい」
という方におすすめの内容です。
早速見ていきましょう!
油絵はどのようにして乾くの?
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油絵の具は水彩絵の具やアクリル絵具とは違い、油そのものが空気中の酸素に触れることで乾燥します。アクリル絵の具などは水が蒸発することで、乾きますが、油絵具は油が固まって乾くんですね。
油絵の具の乾燥状態
絵の具を塗られてから、固まるまでの乾燥過程がいくつかあるので、紹介します。
この乾燥過程によって、保護剤をつけるタイミングもわかりますよ。
①未乾燥
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絵具がチューブから出されて、これから空気に触れて乾燥に向かう準備期間です。
キャンバスに絵の具をのせているときなどですね。
指で触れるとぐちゃっとなります。
②粘着乾燥
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絵具の表面を指で触れると粘着性を感じます。
絵具がつくかつかないかのヒンヤリとした感じです。
③表面乾燥
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絵具の表面に薄い膜がはって、指で軽く撫でたときに絵具がつかなくなった状態です。
このとき表面は乾いていますが、中身は乾いていません。
④完全乾燥
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乾燥が内部まで進んで、指で押しても指紋が残らず、へこまない状態です。
絵具が厚塗りであると半年~一年経たないと完全乾燥になりません。
保護剤などはこの「完全乾燥」になってから塗りましょう。
絵具の乾燥時間は○○で異なる!?
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油絵具の乾燥時間は絵具の厚さや天気によっても左右されます!
どんな要素が左右されるのか解説していきますね。
乾燥時間は絵具の厚さで異なる!
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油絵具の乾燥時間は、塗った絵具の厚さで異なります。
キャンバスの織り目がはっきりわかるような薄く塗った絵具は、1日で乾きます。
…が織り目が隠れる程度の厚さは、2日~3日かかり、絵の具を盛り上げた厚塗りは6日~7日かかります。
乾燥時間は顔料によって異なる
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油絵具は油(乾性油)と顔料でできています。
顔料とは色のついた粉末のことです。
この顔料には乾燥が早めるものと乾燥が遅くなるものがあります。
乾燥を早める顔料は金属酸化物です。
顔料そのものが触媒作用して、乾燥材の働きをするからですね。
例えば、バーントアンバー・プルシャンブルー・ビリジャン・コバルトブルーには
マンガン・鉄・コバルトなどの金属酸化物が含まれています。
逆に乾燥が遅いのは、金属の活性が弱いものです。
また、油の乾燥を妨害する性質をもった顔料もあります。
有機顔料では
ローズマダー・スカーレットレーキー・ランプブラック
無機顔料では
ウルトラマリン・ジンクホワイト・チタニウムホワイト
なので、下地を塗るときなどは、乾くのが早いものを下地塗りにするといいですね。
乾燥時間はメディウムで異なる
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油絵の具はメディウムとして、一般的にはリンシードオイルとポピーオイルがあります。
リンシードで練った油絵具の乾きは早くなります。
何故なら、リノレン酸という不飽和度の高い脂肪酸成分を多く含んでいるからです。
一方のポピーオイルでは不飽和度は低く黄変しにくい良質の脂肪酸を多く含んでいるので、乾燥は遅くなります。
乾燥時間は大気環境によって左右される
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油絵の具は温度の高さで乾きが異なります。
気温の高い夏が乾きやすく、冬は2、3倍時間がかかります。
また、湿気に弱いのも油絵具です。
かといって全く湿気がないのもいけません。
気温20度~30度
湿度55%から60%
の適温・適湿がベストです。
5月と10月ぐらいの季節ですね。
油絵を速く乾かしたい!
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油絵具の乾燥時間は分かったけど、もっと速くかわかしたい!というときありますよね。
絵具を速く乾かしたいときは「乾燥促進剤」を使いましょう!
この乾燥促進剤は2種類あります。
液状のもの「シッカチーフ」
絵具状のもの「メディウム」
があります。
両方とも、画溶液に混ぜるか、絵具に練り込んで使います。
シッカチーフ
シッカチーフには淡色と褐色のものがあります。
淡色はおだやかに
褐色は強力
に乾燥を促進します。
絵具にシッカチーフを混ぜるときは
直接混ぜるときは10%
乾性油と混ぜるときは30%
くらいまでにとどめます。
シッカチーフを入れすぎると、ひび割れを起こしたり、亀裂や縮みが起こるので量を守って使うことが重要です。
だいたい1日から数日で乾燥させることができますよ。
メディウム
メディウムはシッカチーフより速く乾き、メーカーによって様々な種類のものが造られています。
乾燥速度や透明性、光沢性、粘土といった特徴を加味して、自分の画風にあった適切なものを選びましょう。
混ぜる分量に制限はありませんが、たくさん混ぜると透明度が高くなります。
また、メディウムは褐色系のものが多いので、淡い色に使用する場合は濁らせないために、透明性が高いものがおすすめです。
まとめ
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今回は「油絵具の乾燥時間について」お話ししました。
油絵を速く進めたいならメディウムを使うのがおすすめですよ。
それではまた!
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