こんにちは!
山で風景画をかいてます。アマネです。
印象派って聞いたことありませんか?
絵画展でよく耳にしますよね。
「すごい人の絵なんだろうな」とは思って見ていますが、印象派って一体何なんでしょうか。
そこで今回は「印象派とは?」という題材で紹介していこうと思います。
こんな人におすすめ
- 印象派ってなに?
-
- 印象派の背景を知りたい
- 有名な印象派の作品を観たい
目次
印象派とは?
印象派とは、19世紀後半にフランスで発生した芸術運動のことです。
描くものの輪郭や線ではなく、描く周りの光や空気感をとらえようといった技法ですね。
当時のパリで活動していた画家たちのグループが起源になっています。
マネやルノワールらのグループが中心となって発展し、 印象派の画家は、近代化されてゆくパリの風俗やパリ近郊の風景画などを描きました。
「印象派」は古典的絵画と現代絵画の橋渡しを行なった、絵画史における重要な運動です。
それまではリアルな絵画が中心でしたが、この印象派の芸術運動で、光を表現したものや感情を表現した絵も受け入れられるようになっていったんですね。
印象派の時代の背景
印象派はどこから発祥していったのでしょうか。
ここでは時代の背景を見ていきますよ。
印象派は4人の画家から始まった
印象派の活動は同じアカデミーで出会った、モネ、ルノワール、シスレー、バジールの四人で始まりました。
彼らは、古典主義の絵画よりも風景やその当時の生活を描きたいという共通の趣味があったので、田舎に出かけて野外で絵を描くようになるんですね。
ある時にパリのクリシー通りのカフェにたむろしていたところ、マネ、ピサロ、セザンヌ、ギヨマンたちと出会い、彼らもまた印象派の活動に参加します。
印象派が着想を得たのは、ギュスターブ・クールベなどのリアリズム運動だと言われています。
リアリズム運動は18世紀中ごろの美術で、それまで理想化された世界を描くべきとされていたにもかかわらず、ありのままの世界を理想化せずに描いた画家たちの活動のことです。
こうした影響もあり、印象派の画家たちは、日常の娯楽、平凡な仕事風景、普通の風景などをモチーフにして作品を描いていったんですね。
画家の登竜門「サロン・ド・パリ」
今では人気の印象派の画家たちをですが、「サロン・ド・パリ」という展覧会で落選を続けます。
19世紀の画家には、最も権威のある、芸術家にとっては成功への登竜門となっていました。
逆に言うと、サロンに出展して受賞しないと生活が成り立たないと言われるほどだったんですね。
印象派の画家たちはそれに反発して、独立した「印象派展」を開催しました。
この展覧会に参加していた画家たちが一般的には印象派といわれています。
因みにこの「印象派展」は第8回まで続いていますよ。
印象派の由来は酷評から
この印象派という呼び名は、モネの作品「日の出」がもとになっています。
今では代表的な印象派の作品ですが、発表当時は保守的な美術界から激しく批判されました。
このときの批評家のルイ・ルロワからの
「描きかけの壁画の方が、まだ完成しているように見える。印象でしか絵を描いていない。」
と批評されたのをきっかけに「印象派」と呼ばれるようになったんですね。
印象派の作品はサロンからは酷評されていたものの、一般の人からは好感を持たれ人気が広がっていき、アメリカ市場に販路が開けたことで、フランスのサロンにも受け入れられるようになります。
印象派の特徴
ここでは印象派の絵画の主な特徴を3つ紹介していきますよ。
①外での制作
印象派の特徴のひとつとして「外での制作」があります。
18世紀の中頃までは、画家が自ら鉱石を粉砕し、油を混ぜて絵具を作っていました。
1841年に保存や持ち運びに便利なチューブ入りの絵具が登場することで画家たちが、街の画材屋で絵具を手に入れることができるようになります。
こうした「近代化」という背景もあり、印象派の画家たちの屋外制作にも繋がっていくんですね。
また、同じ時期に鉄道も徐々に広がったため、画家たちのフットワークも軽くなっていきます。
絵画ではダンスホールや劇場、カフェなど、市民たちの生活を多く描いていますよ。
②筆触分割
印象派が使っていた技法が「筆触分割」です。
筆触分割とは、絵具を混ぜないでそのままキャンバスに置いていく手法です。
昔の伝統的な描き方では、絵具をパレットで混ぜ、色を作ってからキャンバスに描いていました。
印象派の画家たちは「絵の具は混ぜることで発色が悪くなる」ことを考慮したんですね。
外の繊細な光を捉えるために、チューブから出した絵具を短い筆さばきで、そのままキャンバスに置いていくという手法をとっています。
印象派の特徴である光も、この「筆触分割」という技法で表現されていますよ。
③印象を描く
印象派の画家は「印象」を忠実に捉えて表現されているのが特徴です。
写実主義の絵画は、対象をリアルに描くことが主でしたが、1839年に「写真」が発明されます。
写真の登場によって、現実をそのまま写しとる役割を取って代わられてしまったので、画家たちは写真にできないことをするしかなかったんですね。
写実性以上の新しいものを模索し、この動きが「印象派」を描くという方向に繋がっていきました。
印象派の有名な画家①エドゥアール・マネ
マネは19世紀パリの生活風景を描いた最初の画家です。
伝統的な絵画の形に囚われることのない画風で新しい潮流を美術界に呼び込みました。
彼の絵画の特徴は、明るい色、立体感・遠近感をあまり感じさせない平面的な絵画を多く残しています。
細かい色の変化でなく、はっきりしたコントラストの強い画風ですね。
印象派展には参加していないことから、印象派の正式な画家として扱うかどうかは人によります。
しかし、印象派の画家たちと野外制作をし、基本理念を作り上げていきました。
そういう意味においても印象派の父、先駆者として位置付けられていますよ。
すみれの花束をつけたベルト・モリゾ
バルコニー
鉄道
フォリー・ベルジェールのバー
印象派の有名な画家②クロード・モネ
パリに生まれたモネは印象派の代表的な画家です。
子供の頃から、絵がうまく似顔絵を描いて売るほど絵が上手でした。
光を繊細に捉えた絵が特徴的で、同じモチーフを異なる時間帯で何度も繰り返し描くという手法を実践しています。
中でも代表作の「睡蓮」は約200点もの作品が残されていますよ。
睡蓮の池
積みわら・日没
散歩 日傘をさす女性
印象派の有名な画家③ピエール=オーギュスト・ルノワール
ルノワールは印象派の中でもトップレベルの知名度と人気を誇る画家です。
20歳の頃に画家になる決意をし、画塾に入り、モネやシスレー、バージルなどの画家仲間と知合いになります。
そこでモネと共に、印象派の技法である、「筆触分割」の手法を生み出します。
これが印象派の画風になっていくんですね。
ルノワールの作品は全体的に明るい雰囲気で柔らかく淡い印象が特徴です。
モネとはよく一緒に野外で制作していたようで、この当時の二人の作品は酷似していて見分けるのが難しいと言われています。
ムーラン・ド・ラ・ギャレット
イレーヌ・カーン・ダンヴェール嬢
ブージヴァルのダンス
印象派の代表的な画家④エドガー・ドガ
エドガー・ドガはバレエの絵が有名な画家です。
印象派の創設者のひとりだと言われていますが、ドガ自身は、自分のことを印象主義より写実主義だと「印象派」と呼ばれることを嫌っていました。
実は彼、サロンに落ちたことがないんですね。
なぜ印象派にきたのかというと、デッサン力のあるドガは、審査員の好みの絵を描いてサロンの常連になることができました。
しかし「本当の芸術はそんなものではない!!」という気持ちに逆らうことができず、あえてサロンには認められない絵を描く茨の道を進みます。
そして友人のマネとともに、印象派に入るんですね。
彼の作品は踊り子や競馬場など、動きのある作品を数多く残しています。
モネのような明るい世界ではなく、都市部の暗部を古典的手法によって描いた画家です。
体制に反抗して茨の道を進んだヘンタイでもあるんですね。
ダンスのレッスン
アプセントを飲む人
踊りの花形
まとめ
いかがでしたか?
今回は「印象派とは?」ということについて解説しました。
今では人気の印象派が当時は酷評を受けていたなんて信じられませんよね。
時代の背景を知ることで、より絵画鑑賞が楽しくなります。
美術館に行く前にぜひ、参考にしてください。
それではまた!
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