こんにちは!
山で風景画をかいてます。アマネです。
抽象画を鑑賞しているときに「難しいなぁ」と思うことありませんか。
何が描かれているのか分からなかったり、自分でも描けそうな絵もあります。
私自身も最初は何がすごいのか、わかりませんでした。
しかし、美術史の背景をみていくと抽象画が画期的なことに気づいたんですね。
そこで今回は「抽象画とは一体何なのか」ということを解説していきます。
こんな人におすすめ
- 抽象画ってなに?
- 抽象画の種類や歴史を知りたい
- 有名な抽象画の作品を観たい
- 抽象画は何故描かれたの?
抽象画とは?
抽象画とは一体何なんでしょうか。
私はぐちゃぐちゃした絵のことだと思っていましたが、実は違うんですね笑
抽象画が生まれる前はどの作品にも主題やモチーフがありました。
例えば風景、人物、静物など実際に存在するものたちが描かれた作品です。
抽象画はその逆で「描かれる対称が存在しないもの」を描いたのが抽象画なんですね。
例えば、自分の世界観だったり内面の表現だったりです。
抽象画家は実際に存在しない、点・色彩・形・線といったもので構成し、その美しさを芸術表現としました。
抽象画が生まれた背景
抽象画は、世界一次大戦前夜にロシア、フランス、ドイツで同時多発的に生まれました。
代表的な流れのひとつは印象派画家ポール・セザンヌの「自然の中のすべての形態を円筒・球・円錐で処理する」という言葉です。
ブラックとピカソはセザンヌのその言葉に影響を受けて「キュビズム」という抽象画の技法を創り出しました。
「キュビズム」はその後誕生する抽象画の基盤となっているんですね。
その後第一次世界大戦中にも色々な抽象画が派生し、抽象主義絵画に大きな影響を与えます。
抽象画の種類
「抽象画」といっても様々なスタイルありますよね。
代表的な抽象画の種類をそれぞれ解説していきますよ。
キュビズム
1907年頃~
ジョルジュ・ブラックとパブロ・ピカソが作ったのが「キュビズム」という技法です。
後の抽象画の基盤になっています。
それまでの絵画は一つの視点で描かれていましたが、キュビズムは「いろいろな角度から見たものをひとつの画面に収める」手法を発明したんですね。
多くの芸術家を驚かせたこの技法は、近代美術の中でも重要な発明のひとつです。
純粋抽象絵画
1910年頃~
純粋抽象絵画とは単純に自己の内面を描いた絵画のことです。
感情を作品中に反映させて表現したり、自身の中にある考え方や世界観を表現しています。
そのことからも「自己表現的抽象」とも言われていますよ。
代表的な画家として、ワシリー・カンディンスキーが挙げられます。
新造形主義
1920年頃~
新造形主義はモンドリアンが始めた、幾何学的抽象画芸術理論です。
簡単に言うと、「線と色彩」で構成された絵画ですね。
形などが一定のパターンをもっていて、垂直と水平の直線、三原色と無彩色の組み合わせたりしています。
あらゆる抽象表現を幾何学的に実現しようとする理論となっています。
アクション・ペインティング
1950年頃~
「アクションペインティング」は絵具を飛び散らしたり、絵具を垂らしたりする手法で作品を完成させる技法です。
それまでの絵画は「描いているものが」重要視されていましたが、アクションペインティングは画家の動きに意味を見出しています。
ジャクソン・ポロックが第一人者で、ドロッピングやポーリング技法を編み出した人としても有名ですよね。
カラーフィールド
1950年頃
カラーフィールドとは、色彩による「面」の領域が画面の中で大きな割合を示す絵画のことです。
キャンバスは平面になっていて、絵の中心もなにもありません。
色や線が何か役割を果たしています。
キャンバス全体を色数の少ない大きな色彩の面で塗りこむのが特徴です。
代表的な作家はマーク・ロスコなどです。
抽象画の有名画家と作品
ここでは有名な抽象画アーティストとともに代表作品を紹介していきますよ。
パブロ・ピカソ
ピカソはスペイン出身の画家で、ジョルジュ・ブラックとともに、革新的な「キュビズム」という技法を創出しました。
初期は「青の時代」「バラ色時代」など写実的な描写でしたが、新しい表現方法が欲しかったんですね。
戦時中には『ゲロニカ』などの象徴的な作品を制作し、反戦や抵抗のシンボルとして評価されました。
ピカソは美術界のみならず世界中の人々に大きな影響を与えたことから「20世紀最大の画家」と称されています。
ジョルジュ・ブラック
ブラックはフランス出身の画家でピカソとともに、ポール・セザンヌの多視点のアイデアを基盤にしながらキュビスムを発展させました。
彼の作品は、実際に目に映る色ではなく、心が感じる色を配置するため、派手で自由な画面構成を特徴としています。
1908年から1912年までのブラックは、ピカソと密接に共同制作されていたこともあり、両者の作品の区別が付かないものも多数あるそうです。
ワシリー・カンディンスキー
抽象絵画の創始者のひとりがワシリー・カンディンスキーです。
ロシア出身の画家で「熱い抽象」とも呼ばれています。
カンディンスキーの作品は主に、外的なものを受容する「印象」、内にある記憶などをもとに感じたままを描く「即興」、「コンポジション」の3つに分けて制作するのが特徴です。
彼の作品は描かれているものが何なのかほとんど判別することはできませんが、精神的な部分をテーマに作品に反映させています。
また1912年には、「芸術における精神的なもの」という本を出版していますよ。
教育にも熱心で、ロシア革命時代にモスクワでソ連政府の美術教育再編成計画に参加していたようです。
ピエト・モンドリアン
ピエト・モンドリアンはオランダ出身の画家です。
カンディンスキーが「熱い抽象」と呼ばれているのに対して、モンドリアンは「冷たい抽象」と呼ばれています。
モンドリアンの作品は、色面と縦横の線で構成されているのが特徴です。
誰が見ても彼のものだと分かるような独特な作品ですね。
初期には風景、樹木などを描いていましたが、ピカソなどのキュビズム作品に感銘を受け、完全な抽象へ移行しています。
赤、青、黄の光の三原色を使い、ニューヨークのストリートが交わる様子を表現した作品となっています。
この作品に似ている「ニューヨークシティI」が多くのギャラリーで逆さまに展示されていたことで話題になりましたね。
抽象画を楽しもう!
作品:小林功二_jikoshiyabako(@shiyabako2018)
難しいイメージを持たれがちな抽象画ですが、自由気ままに楽しめるのが抽象画です。
例えば、作品の背景を理解したり、自分なりに想像してみたりもできます。
感じ方も人それぞれなので、抽象画の楽しみ方にルールはありません。
上の絵は私が最初に購入した抽象画です。
色彩とビジュアルがお気に入りで購入しました。
よく家族で「キッチンが描かれているのかな?」「顔っぽくない?」「いや、宇宙!」など会話がはずんだりします笑
抽象画を見ているだけで明るく楽しくなりますよね!
まとめ
いかがでしたか?
今回は「抽象画とは」というテーマでお話ししました。
抽象画は色の美しさを楽しむこともできますが、時代の背景をみていくとさらに面白くなります。
是非参考にしてみてください。
それではまた!
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