こんにちは!
山で風景画をかいてます。アマネです。
皆さんは絵を描くときにどのような技法や表現を使っていますか?
人によって道具やキャンバス、描き方などかなり違いがあるかと思います。
その違いからその人の個性や考え方などがわかりますよね。
また、「絵を描く」といっても様々な技法や描き方があります。
今回は「油絵の技法と描き方」を紹介していきます!
「油絵の技法を知りたい!」
「油絵の表現をもっと増やしたい!」
という方におすすめの内容です。
それでは早速見ていきましょう!
目次
油絵の描き方と技法①カマイユ技法
カマイユ技法は単色の濃淡のみで明暗を表現する方法です。
色は褐色系(バーントシェンナ・イエローオーカなど)をよく使い、テレピンなどを薄く溶いて
使われます。
絵具を拭き取ることで、明暗や構図を動かすことも簡単にできるので初心者におすすめの技法です。
絵具の定着がよくなり、上に塗る色に深みをもたせることもできます。
油絵ではこの技法のみ使うというよりも、描き始めの下地段階で使われることが多いです。
「おつゆ描き」とも言います。
油絵の描き方と技法②グリザイユ技法
グリザイユ技法は白と黒のみで明暗を表現する方法です。
カイマユと同じく、油絵の最初の段階で明暗を描き分けることで、その後の着彩をスムーズにできます。
油絵の描き方と技法③グラデーション技法
グラデーションというのは日常でもよく見かける言葉なので分かりやすいかも知れませんね。
何色かの色を置いて、それの境目をぼかすことでつなぎ目を自然にみせて、色を繋いでくれます。
乾燥の遅い油絵の具だと簡単に再現できる技術です。
あらかじめ、何段階かの絵の具を作ってキャンバスにのせ、扇筆でぼかせば簡単できます。
油絵の描き方と技法④スフマート技法
グラデーションの中でも輪郭線や色の境目がわからないほど滑らかにぼかした表現です。
イタリア語で「煙のような」という意味で、レオナルドダヴィンチの技法として知られています。
空気遠近法の一種として開発されました。
その名の通り、輪郭をはっきりと出さずに、煙の様に曖昧にして空気感をだすというものですね。
油絵の描き方と技法⑤グレーズ技法
グレーズ技法は、薄く溶いたオイルを透明性のある絵の具を何層も薄く塗り重ねることで、色に深みと重圧感を出すことができます。
仕上げ前、全体の色調を整えるときにも使えます。(明るい色調、冷たい色調など)
私はよく雪の絵を描くのでブルー系の透明色を薄めて仕上げに使ってますね。
また、乾性油という、ツヤや絵の具を固めるのにな油を多く使い絵の具を重ねるので、透明感が高く美しい絵肌に仕上がります。
油絵の描き方と技法⑥スカンブル技法
スカンブル技法は油絵の具を薄く溶き、半透明な絵具を重ねていく技法です。
グレーズ技法によく似た技法ですが、使用する絵の具の透明度が違います。
グレーズ技法は透明度が高い色層を重ねるのに対し、スカンブル技法あ透明ではなく半透明の絵の具を重ねます。
過去の絵をみると、例えば血管の緑色を置いてから、白を混ぜた肌色を薄く溶いて血管を透かせて見せる、みたいなテクニックに使われている事が多いです。
少し下の層を見せたいときに使える描き方ですね。
油絵の描き方と技法⑦インパスト技法
インパスト技法は不透明な絵具を厚塗りします。
インパストとは絵具の凹凸のことです。
画面から飛び出してきそうな強い光を表現することに使われることが多いです。
筆やペインティングナイフで油絵具を多めにすくい、それぞれの跡が分かるように盛り上げ、高低差をつけながら描きます。
盛り上げるときには絵具に乾燥促進剤のチューブ型メディウムを混ぜると乾きも早くサクサク作業ができますよ。
油絵の描き方と技法➇ドライブラシ技法
固めの絵の具を豚毛などのバサバサした筆ではらったりこすったりする技法です。
絵の具を筆の先につけて、その色をキャンバスや紙にかすれさせる様にして付けます。
この技法は無意識に使っている方も多いのではないでしょうか。
油絵の描き方と技法⑨スパッタリング技法
スパッタリングは図工の授業で聞いたことのある方いるのではないでしょうか?
絵の具を薄めてから筆につけて指などで弾くと絵の具が飛び散って画面に乗ります。
これがスパッタリングという技法です。
粒が飛び散ったような独特な雰囲気があります。
私は星空とかによく利用する技法ですね。
油絵の描き方と技法⑩ドリッピング技法
ドリッピング技法は絵の具を直接垂らしたり、飛び散らせたりするなど、キャンバスに筆が触れることなく描き上げる技法です。
垂らした絵の具をキャンバスを傾けてつけるなど色々なやり方がります。
ジャクソン・ポロックという人によって開発されました。
名称を付けられたのは比較的に近代です。
油絵の描き方と技法⑪コラージュ技法
コラージュ技法というのは画面に紙を張ったり別の物質を張り付けて描く方法の事です。
元々はピカソなどのキュビズム時代の作家が始めた技法で、意外な物の組み合わせとして、「マックス・エルンスト」というアーティストが考案しました。
現代では広告やデザインが様々な場面で使われ、絵画だけのものではなくなりました。
デジタルで絵を描いている人なら誰でも行っている作業ですね。
油絵の描き方と技法⑫ウエット・イン・ウエット
下に塗った絵具が乾く前に色を塗り重ねる、にじみやぼかしの技法です。
乾いていない絵具の層に別の絵具の層を塗り重ねると伸びやかで自然の融合が見られます。
この技法はボブロスが開発したので、ボブロス技法とも呼ばれています。
逆に下の絵具が乾いてから塗り重ねるのは、ウエット・オン・ドライ技法と言います。
油絵の描き方と技法⑬ハッチング技法
影や模様を線で表現したものをハッチング技法と言います。
漫画やデッサンなどでもよく使われますよね。
絵に重圧感を出すことができます。
歴史はとても古く、油絵の具の技法が開発されるより昔(600年以上前)から、テンペラ絵の具で行われてきた技法です。
油絵の具の無い時代は絵の具をぼかしてグラデーションを作るのが難しかったので、線を何回も重ねることで微妙な色の諧調を表現していました。
気が遠くなりそうですね笑
油絵の描き方と技法⑭ミクストメディア技法
ポストカード引用:twitter.com/oshima_kenichi
ミクストメディア技法は、いくつもの画材を組み合わせる技法のことを言います。
例えばアクリル絵具を下地にして油絵具をのせる、パステルとアクリル絵の具を組み合わせるなどですね。
まとめ
今回は「油絵の技法と描き方」について解説しました。
こう見ると、1つの絵には様々な技法が使われていることがわかりましたね。
無意識に使っていた技法もたくさんあったと思います。
過去の画家たちの技法を真似してどんどん自分の技術を向上させていきましょう。
それではまた!
コメントを残す